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T.はじめに
2010年米国ではヘルスケア改革法が成立し、画期的な大改革が始まった。改革の範囲は、無保険者の減少・健康保険改革、医療費増加傾向の抑制および品質向上と幅広いが、本稿では、健康保険者の視点から、(1)ヘルスケア改革法は何を変えたか、(2)健康保険者・健康保険市場はどう変化するかの2つに焦点を当てる。ヘルスケア改革法による米国のヘルスケアファイナンスの骨格への影響と健康保険者・健康保険市場について今後大きな変化となるトピックとを取り上げる。
U.米国の健康保険事業・健康保険市場の沿革と特徴
米国の健康保険事業・健康保険市場の特徴には、(1)団体保険中心、(2)雇用主提供システム、(3)低所得層・高齢者向け公的制度と民間保険の混合(mixture)、(4)雇用主提供システム・公的制度の対象とならない者の無保険者発生メカニズムがある。この特徴が成立してきた沿革と改革の経緯を整理する。
V.2010 年ヘルスケア改革法に基づく新体制
2010 年ヘルスケア改革法は、連邦・州によって漸進的に進められた 1990 年代の無保険者の減少・健康保険改革をさらに推し進めて成立した。同法による新体制では、(4)雇用主提供システム・公的制度の対象とならない者の無保険者発生メカニズムを変更したが、全体としてその他の特徴は維持された。
W.健康保険市場の新しい動き:健康保険改革と Exchange 創設
新体制では、無保険者発生メカニズムを改善するため既存の健康保険改革と保険加入を容易にするシステムとして Exchange が創設された。しかし、Exchange では、保険市場を使いながら社会保険的な効果をあげるため、当事者のリスク負担を配分し直す必要があり、その円滑な運用はかなり難しい。
X.健康保険市場の新しい動き:ACO モデルの創設
2010 年ヘルスケア改革法には、ヘルスケアサービス提供者が組織する ACO モデル計画が新しく規定された。ACO モデルは、健康保険者にとっても今後のビジネスモデルに影響する大きな動きである。
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