これは、米国保険情報協会(Insurance Information Institute)の“Handbook for Reporters”2003年版を
損保ジャパン総合研究所が翻訳したものです。

 

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Capacity(引受能力、キャパシティ)

需要を満たすために利用可能な保険の供給量をいう。キャパシティは、リスクを引き受けるための保険業界の財務力によって決まる。個々の保険会社のキャパシティは、その財務状況に基づき引き受けることのできるリスクの最大量である。損害エクスポージャーに比して保険会社の自己資本が適切な水準であるかどうかは、ソルベンシーの重要な目安となる。
損害保険会社は、リスクを引き受けるために一定水準の資本と契約者剰余金を維持しなければならない。この資本が、キャパシティといわれるものである。ワールドトレード・センターへのテロ攻撃後のように保険業界が大きな損失を被ったときは、キャパシティが減少する。キャパシティは、純利益の増加、順調な投資収益、再保険の買い増し、または増資によって回復させることができる。投資収益率が高いなどによってキャパシティが過剰なときには、保険会社同士が市場シェア競争を行うので、保険料は低下する傾向がある。保険料が下がるにつれて保険引受損失が増大して、キャパシティが減少し、保険会社は収益性拡大のために料率引き上げ、引受条件や限度額の厳格化を行なうであろう。キャパシティの測定基準として、契約者剰余金が使われる場合もある。

Capital(資本)

(上場保険会社の場合)株主資本(shareholder’s equity)および(相互保険会社の場合)利益剰余金(retained earnings)をいう。損害保険会社の自己資本の適切性についての、一般的な測定基準はない。自己資本の適切性は、保険会社の業務のリスクの度合いと関連している。例えば、医療機器製造業者の保険を引き受ける会社は目抜き通りの商店の保険を引き受ける会社よりも大きな資本のクッションを必要とするであろう。
参照:Risk-based capital;Surplus;Solvency

Capital Markets(資本市場)

株式や債券が取引される市場。
参照:Securitization of insurance risk

Captive Agent(専属代理店/キャプティブ代理店)

1つの保険会社のみを代理する代理店をいう。契約上、他の保険会社の契約取扱いは、専属する保険会社から拒絶された場合しかできない。
参照:Exclusive agent

Captives(キャプティブ)

保険会社ではない1社または複数の企業がカバーを得るために設立し、保有する保険会社をいう。自家保険の1形態である。

Car Year(自動車年)

1自動車年=車両1台に対する365日分の保険カバー。自動車保険に関する標準的な尺度である。

Case Management(ケース・マネジメント)

患者を治療し、ケアの質を向上させ、費用を低減するために医療サービスをコーディネートするシステムをいう。ケース・マネジャーが患者へのヘルスケアの提供をコーディネートする。

Catastrophe(異常災害)

統計記録に係る用語で、財物の保険損害の総額が所定の額(現在では2,500万ドル)を超える単一の事故または密接に関係する一連の事故をいう。

Catastrophe Bonds(異常災害ボンド)

保険会社に巨大ハリケーンのような異常災害から生じた損害への支払いのための一種の再保険を提供し、金利がその分だけ高く設定された、リスク・ベースの証券をいう。これは、保険リスクを債券の形で機関投資家に販売することで、リスクの分散を可能にする。
参照:Securitization of insurance risk

Catastrophe Deductible(異常災害免責金額)

大規模な自然災害が発生した場合に、住宅所有者保険の契約者が自己負担しなければならないパーセンテージまたは金額。免責金額が高く設定されることで、そのような場合の保険会社の潜在的損害が限定され、保険会社はより多くの財物の保険引受が可能となる。保険会社は、その予想最大損害額を一定以下にしない限り、自身の最終損益を守るための再保険を購入できない。

Catastrophe Factor(異常損害ファクター)

ある州の40年以上に渡る期間における異常災害の総数に基づく、異常災害の発生確率。

Catastrophe Model(異常災害モデル)

ある特定の地域における自然災害などの異常災害損害により生じる得るコストを測定するために、コンピューターを用いて、現在の人口、建物などのデータにより、長期的な災害情報を地図上でメッシュ(網目状)化する方法をいう。

Catastrophe Reinsurance(異常災害再保険)

異常災害に備える再保険(保険会社のための保険)をいう。保険業界は、ハリケーン、地震、テロ攻撃のような自然災害および人災による数十億ドルもの損失を吸収することができる。このような損失は、全世界ベースで活動する異常災害再保険会社を含む何千もの保険会社の間に分散することができるからである。保険会社の保険販売の能力と意欲は、異常災害再保険の入手可能性とコストによって変化する。
ハリケーン・アンドリューやワールドトレード・センターへのテロ攻撃のような大災害の後には、異常災害再保険の入手可能性は非常に限定的になる。保険請求は再保険会社の資本を枯渇させ、その結果保険会社は引き受けるリスクの種類と金額を厳選するようになる。さらに、供給が制約されるために、再保険の価格は上昇する。このことは、財物保険の価格の全体的上昇を引き起こすもととなる。

Cell Phone Insurance(携帯電話保険)

携帯電話の損傷または盗難をカバーするために提供される独立の保険。この保険は携帯電話自体とともに販売されることが多い。

Chartered Financial Consultant/ChFC(公認フィナンシャルコンサルタント)

アメリカン・カレッジ(American College)がフィナンシャルプランニングのコースを履修した金融サービスの専門職に授与する資格。

Chartered Life Underwriter/CLU(公認生命保険士)

アメリカン・カレッジが保険、投資および税務の業務試験に合格し、かつ生命保険プランニングの経験を積んだ専門職に対して授与する資格。

Chartered Property/Casualty Underwriter/CPCU(公認損害保険士)

米国公認損害保険士協会(American Institute for Property and Casualty Underwriters)が授与する専門資格。全国試験の合格と、3年間の実務経験が要件とされる。

Claims-Made Policy(クレームズ・メイド保険証券)

保険契約の一形態で、保険期間中または終了後の所定の期間内に保険会社に通知された賠償請求に対して支払いをするものをいう。これには、保険会社の知られざる将来の負債エクスポージャーを限定する効果がある。
参照:Occurrence policy

COBRA(予算の再調整に関する総合包括法)

Consolidated Omnibus Budget Reconciliation Actの略称。同法の下、20人以上の従業員を雇用する企業は、離職した従業員本人および被扶養者に対して団体医療給付制度への加入継続を認めることを義務づけられる。保険料は全て従業員の負担。カバーは18ヶ月まで延長できる。従業員が死亡した場合、遺された被扶養者にはより長い期間のカバーが提供される。

Coinsurance(共同負担)

財物保険において、保険契約者が損害額の全額につき補償を受けるためには、保険金額を財物価額の所定の割合に等しくする必要がある。健康保険においては、保険金請求が免責金額を超えた場合に、保険契約者が負担する所定の割合を指す。20%の共同負担条項(coinsurance clause)がある健康保険の契約者は、免責金額に加えて、免責金額を超える部分の20%を負担する。保険会社は所定の上限額までは損害額の80%を支払い、それを超える部分については損害額の100%を支払う。

Collateral(担保)

貸し金などの与信を保証するために提供され、債務不履行の場合には差し押さえられる財物をいう。(securityともいう。)

Collateral Source Rule(副次的給付非控除ルール)

過失などによる損害賠償責任を扱う民事訴訟において、原告が被告以外から金銭賠償または返済を受けたとの情報を証拠として提出することを禁じるルール。

Collision Coverage(車両保険衝突損害カバー)

衝突により保険契約者の自動車が被った損害をカバーする自動車保険契約の一部分。

Combined Ratio(コンバインド・レシオ)

保険料1ドルに対して、保険会社が支払った保険金および経費の比率を表す。コンバインド・レシオの低下は財務成績の改善を意味し、上昇はその悪化を意味する。コンバインド・レシオが100を超えている場合、保険会社は保険引受損失を被っている。

Commercial General Liability Insurance(CGL)(企業総合賠償責任保険)

広範なリスクをカバーする企業保険であり、明示的に除外されたものを除き、企業のあらゆる賠償責任エクスポージャーをカバーする。カバー範囲には、製造物責任(product liability)、完成作業責任(completed operations)、施設・業務責任(premises and operations)、独立請負人責任(independent contractors)などがある。

Commercial Lines(企業保険種目)

企業向けに設計され販売される保険商品をいう。主なものには、ボイラ・機械保険(boiler and machinery)、利益保険(business interruption)、企業自動車保険(commercial auto)、包括総合賠償責任保険(comprehensive general liability)、会社役員賠償責任保険(directors and officers liability)、火災保険および雑危険保険(fire and allied lines)、インランド・マリーン保険(inland marine)、医療過誤保険(medical malpractice liability)、製造物責任保険(product liability)、専門職業賠償責任保険(professional liability)、保証・身元保証(surety and fidelity)、労働者災害補償保険(workers compensation)がある。ほとんどの企業保険種目は個別に購入可能であるが、利益保険については火災保険(財物)に付帯して引き受けられる。
参照:Commercial multiple peril policy

Commercial Multiple Peril Policy(企業総合保険証券)

財物保険、ボイラ・機械保険、犯罪保険、一般賠償責任保険を含むパッケージ契約をいう。

Commercial Paper(コマーシャル・ペーパー)

事業会社、ファイナンス・カンパニーが運転資金などの調達のために発行する短期、無担保の約束手形をいう。通常は割引手形である。格付け機関の格付けを受けたコマーシャル・ペーパーは、ディーラーを通じて、または直接に投資家に販売される。

Commission(手数料)

代理店または保険募集人に対して支払われる、保険料の一定割合に当たる報酬をいう。その割合には、保険種目、保険会社、マーケティング方法によってかなりの幅がある。

Community Rating Laws(地域保険料率法)

健康保険契約に関していくつかの州で制定されている法律。保険会社は申込者の年齢や健康状態に関係なく加入者を全員引き受け、カバー範囲が同一であれば保険料を同額にすることが義務づけられている。その保険料は、地域の健康状態と人口動態構造によって決まる料率に基づく。

Competitive Replacement Parts(競争力ある再調達部品)

参照:Crash parts;Generic auto parts

Competitive State Fund(民間保険と競合関係にある州の労災保険基金)

州によって設立された労働者災害補償保険(workers compensation)を販売する機関で、民間保険会社と競合関係にあるもの。

Complaint Ratio(苦情率)

保険会社に対する消費者の苦情件数の推移を把握するために一部の州監督当局が使用している測定基準をいう。一般に、保険会社に対する正当と認められた苦情件数の、計上保険料に対する割合で表される。一部の州では、医療サービス提供者からの保険金支払いの迅速性についての苦情も含めている。

Completed Operations Coverage(完成作業責任カバー)

完成した事業や作業が原因となって生じた身体障害または財物損害に対するカバーをいう。サービスを提供する企業を損害賠償請求から守るものである。

Comprehensive Coverage(包括車両カバー)

他車との衝突以外の原因(火災、爆発、地震、洪水、暴動など)および盗難による保険契約者の自動車の損害をカバーする自動車保険契約の一部分をいう。

Compulsory Auto Insurance(強制自動車保険)

州法の要件を満たす最低保険金額の自動車賠償責任保険をいう。全ての州の賠償資力法(financial responsibility laws)は、全ての自動車運転者に対して、州法が定める最低額までの損害賠償金の支払能力に係る証拠を事故後に提示することを義務付けている。強制賠償責任保険制度をとる州では、証拠は通常、保険証券の形態をとり、この証拠なくして自動車を運転することは違法とされる。

Contingent Liability(偶発賠償責任)

個人、法人またはパートナーシップが、その従業員以外の者が巻き込まれた事故につき、その者の行為または義務懈怠の原因をもたらしたとされて損害賠償責任を負うことをいう。

Coverage(カバー/カバレージ/保険担保)

保険と同義。

Crash Parts(衝突部位部品)

自動車衝突事故で最も損傷を受けやすい部分の板金製部品。
参照:Generic auto parts

Credit(クレジット/信用/貸し付け)

現時点での購入または借入れのためになされる、将来の支払い契約をいう。負債の支払いを延期する権利。

Credit Derivatives(クレジット・デリバティブ/信用派生商品)

クレジット・リスクのより優れた管理を銀行などの利用者に可能とするデリバティブ契約。信用リスクを他の当事者に移転する手段のひとつ。

Credit Enhancement(クレジット・エンハンスメント/信用補完)

債券の格付けを高めることによって、金利支払いを低減する方法をいう。金融保証保険(financial guarantee)やスタンドバイ信用状(standby letter of credit)を用いてなされる場合が多い。

Credit Insurance(信用保険)

債権者である被保険者が、債務者企業が破綻するなどして債務不履行となったために受けた損害を補償する企業保険である。この保険は、少数の取引先に依存しているために破綻の場合には大きな損害を被る可能性のある製造業者、卸売業者、サービス・プロバイダに適している。

Credit Life Insurance(信用生命保険)

貸し金の借り手が完済前に死亡した場合に、残高を返済するように設計された生命保険をいう。この保険には就業不能を対象範囲に含めることができ、またクレジット・カードや自動車ローンとの関連でオプションとして提供することもできる。

Credit Rating(信用格付け)

参照:Bond rating

Credit Score(クレジット・スコア/信用スコア)

個人の信用履歴の分析によって算出される点数。信用情報の使用は全ての消費者に、就職、家探し、借り入れ、電話の設置、保険の購入など様々な局面で影響を与える。財務状態の悪い企業は安全対策を切り詰めがちであり、事故と保険金請求が増加する恐れがあるため、保険会社は企業保険の引き受けに際して、顧客企業の信用履歴を確認する慣行となっている。自動車保険や住宅所有者保険を扱う保険会社は、信用履歴情報を用いて保険スコア(insurance score)を算出することがある。保険スコアは、契約引き受けの決定や料率算定のために使用される場合がある。
参照:Insurance score

Crop-Hail Insurance(農産物雹害保険)

生育中の作物が雹、火災または落雷によって受けた損害に対する防御を提供する民間の保険。対照的に、農産物総合保険(multiple peril crop insurance)は連邦補助金を受けており、また旱魃、虫害といったより広範な、収穫を減少させる状態をカバーする。

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